爽side









朝日が照らす部屋を見渡し、

朝が来たことを悟った。







爽「ん―…」







眠い目を擦りながら、

大理石張りの

白い螺旋階段を下りた。







執事「おはようございます」







すれ違う執事が、

いちいち立ち止まって会釈。







爽「おはーっす」







いい香りが漂う

キッチンは朝から騒がしい。







執事「お嬢様、朝ですよ」







問題児の部屋から、

執事の大きな声がした。







爽「…さっさと起きろっつーの」







アイツと龍友は、

両想いなのか___。







きっとそうだ。







夢瞳「眠いなぁぁ」







―――ドスン!







執事「お嬢様!」


夢瞳「いった!」







俺の予想、

階段から落ちたんだと思う。







巨大な大型テレビに

顔を向けて、

朝のニュースを眺めた。







傍に来た問題児に声をかける。







爽「…おはよ」


夢瞳「…おはようございます」







何故かぎこちない俺たち。







爽「お前さ」







歩き出した問題児を

呼び止めた。







爽「―――良かったな」


夢瞳「な、何がですか?」


爽「龍友と___」


執事「お二人様、朝食の準備ができました」


夢瞳「あっ、はーい!」







行ってしまうお前の腕を、

俺はどうしても掴み取れない。







そもそも何で、問題児を

引き止めたがるんだ、俺は。







問題児と龍友の幸せを、

願うべきだろう?