夢瞳side









ジュースの後始末を終えて、

部屋でぐったり。







静かにSNSの

トーク一覧画面を見ていた。







まだ既読を付けずに、

ずっと返事を考えている。







“俺とのデートのこと、考えてくれた?”







龍友先輩に、

聞かれてしまった。







確かに龍友先輩は

『The・モテ男』って感じ。







優しくて、面白い。







この前の

放課後デートの時だって、

ロマンチックに

海へ連れて行ってくれた。







こけたときは、手を貸してくれて







いつも優しい笑顔で、

あたしに手を振ってくれる。







夢瞳「でもなんか違う気がするんだよなあ」







何かが心につっかえている。







これがまさに、

恋心というものなのでしょうかね。







夢瞳「ついにあたしも恋をしたか。

   参っちゃうぜ、ほんと☆」







―――参っちゃうぜ☆







夢瞳「なーんて言ってる場合じゃないなあ」







あたしは思い切って、

龍友先輩のトーク画面を開いた。







夢瞳「よし、言うぞ」







あたしはキーボードを開くと、

返事を打ち返した。







ドクドクと音を立てる

胸を押さえ、

送信ボタンをタップ。







夢瞳「送ちゃった」







ベッドにゴロンと、横になる。







あたし今、

片想い中です。