龍友side









龍友「夢瞳ちゃん!」







放課後、廊下を走っている

夢瞳ちゃんを見つけた。







夢瞳「あ、龍友先輩!」







満面の笑みで手を

振り返してくれる。







俺も手を振りながら近づいた。







夢瞳「放課後残るなんて珍しいですね!」


龍友「祐也と委員会。

   祐也は今トイレだけど」


夢瞳「お! お疲れ様です!」







「ありがとう」と俺が笑うと、

夢瞳ちゃんも笑った。







龍友「夢瞳ちゃんは

   なんで残ってるの?」


夢瞳「居残りです!」


龍友「あ、爽に手伝ってもらったの?」


夢瞳「はい!」







夢瞳ちゃんが

返事をすると、

あくびをしながら

爽が階段を下りてきた。







爽「ったく、置いていくな」


夢瞳「だって爽先輩が、

   昇降口まで競争とか言うから…」


爽「冗談に決まってんだろ、問題児め」


夢瞳「問題児じゃないですー」


爽「あっそー。早く帰るぞ」


夢瞳「あ、はい! 龍友先輩、さようなら!」


爽「じゃあな、龍友」


龍友「おう!」







返事をして、

遠ざかっていく

2人の姿を見ていた。







爽「あれ、背 縮んだ?」


夢瞳「うそっ!」


爽「お前縮んでるぞ」


夢瞳「えっ……老化?」


爽「ははっ、ざーまーあー!」


夢瞳「うるさーい!」







祐也「楽しそうだねぇ」







祐也の声がした。







龍友「なんか、羨ましいな」







俺もあんな風に、







喋りたいな。