夢瞳side









爽先輩から逃げていると、







夢瞳「あっ!」


「「「っ!」」」







派手にこけてしまった。







爽「ぎゃははははははは!」


夢瞳「笑うなんて、ひっどい」


龍友「大丈夫?」







手を差し出してくれる、

龍友先輩。







夢瞳「ありがとうございます!

   爽先輩も、

   龍友先輩を見習ってくださ___」


「ねぇ、あなた」







後ろで、女の人の声がした。







爽先輩は、

その女の人の顔を見た瞬間

女の子たちの輪に帰ってしまった。







夢瞳「___?」


「これ落としたよ」







女の人が差し出したハンカチ。







夢瞳「ありがとうございます!」


「いえいえ」







咄嗟に名札チェック!







…………。







___なんて読むんだ、これ。







「確か、夢瞳ちゃんだよね?」


夢瞳「あ、はい! あなたは___」







爽先輩が、あたしの顔を見た。







夢瞳「しあわせむら先輩ですね!」







「「「え」」」







中庭シーン。







龍友「…夢瞳ちゃん___」







龍友先輩の、苦笑い。







「ふふ、夢瞳ちゃんって可愛いね」







笑った目の前の美人さん。







瑠璃香「あたし、幸村瑠璃香だよ」


夢瞳「ええっ!

   “ゆきむら”って読むんですか!?」


瑠璃香「そうそう」







中庭が笑い声に溢れた。







でも爽先輩だけは、

真顔のまんま。