爽side









学校が終わる

チャイムが鳴ると同時に、

珍しく龍友が

教室を飛び出していった。







爽「……なんだ、アイツ」







龍友を目で追っていると、

行く先は―…







爽「……はっ!?」







龍友「夢瞳ちゃん、行こうか♪」


夢瞳「は、はい…!」







嘘だろ。






何だよ、問題児のヤツ。

デレデレしやがって。







爽「……デート!?」


「誰がデートしてるの?」







隣から聞こえてきた女の声。







爽「なんだ。またお前か」


瑠璃香「なによ、その態度」







生意気女、幸村参上。







爽「さっさと帰れ」


瑠璃香「ひっどーい!」


爽「はあ?」







しかし離れようとする気配はなく、

幸村は俺に言ってきた。







瑠璃香「そういえば爽、

    最近よく夢瞳って子といるよね」


爽「……別に」


瑠璃香「なに? 付き合ってんの?」


爽「んなわけねえだろ」


瑠璃香「えっ、じゃあ、好きなの?」


爽「ふざけんなよ。誰があんなヤツ」







「へぇー」と

ニヤニヤしながら言う、幸村。







爽「何だよ」


瑠璃香「いいの? 龍友とどっか行っちゃってるけど」


爽「別に。アイツの勝手だろ」


瑠璃香「素直じゃないな」


爽「黙れ。さっさと帰れ」


瑠璃香「はいはい、じゃあね!」







そう言って、

幸村はこの場を去った。







爽「何だよ、アイツ」







何故か問題児に、

腹が立った。