龍友side









昇降口で、後輩ちゃんと

少し喋ったあと

校内をフラフラしていた。







何か面白いことないかなー。







例えば、

偶然夢瞳ちゃんに会ったりとか。







そんなことを考えながら、

廊下を静かに歩いていると







2年生の教室から、

夢瞳ちゃんが

出てくる姿が目に入った。







龍友「―――見つけた」







急いで夢瞳ちゃんに駆け寄ると、

その後ろには爽の姿。







爽「お、龍友」


龍友「よ! 夢瞳ちゃん、こんにちは」








目をパチクリさせる夢瞳ちゃんは、

ひらめいた顔で言った。







夢瞳「爽先輩のお友達ですね!」


龍友「そうだよ。爽がお世話になってます」







軽く礼をする。







夢瞳「こちらこそ、いつも

   爽先輩がお世話になっております」


爽「うるせぇな、お前は」







あれ、爽……







爽「龍友」


龍友「ん?」


爽「コイツの家、プールあるぞ」


龍友「マジで!?」







つい、食いつてしまった。







夢瞳「はい!」


龍友「えー、今度遊びに行かせてよ!」


夢瞳「全然いいですよ!」


龍友「っしゃーーー!」







その時、

ニコッと笑った夢瞳ちゃんの笑顔に







俺は心を打たれてしまった気がした。







龍友「……夢瞳ちゃん」


夢瞳「はい!」


龍友「今度俺と、デートしよう?」


夢瞳「え…?」


爽「ダメだ!」







夢瞳「ええ?」


龍友「…爽?」







爽「___えっ、いや……

  別に、好きにしろよ」







そう言って、そっぽを向いた爽。







龍友「じゃあ、考えといてね♪」







それだけ言うと、

俺はその場を離れた。