爽side









賑やかな放課後。







中庭では、吹奏楽部が合奏をし、







グラウンドでは、

運動部が活発に動き回る。







そして2年生の教室では___







「ぎゃあああああ! もうやだ! 解んない!」







野獣のような、問題児の雄叫び。







爽「手伝う気、失せるんですけど」







問題児の教室の前で、

足を止めた。







「「あ、爽先輩…っ///」」

「「さようならっ//」」


爽「おう。気をつけて帰れよ」







いつものフレーズを

繰り返すだけで、

教室から出てきた

後輩たちは、歓声をあげる。







心を決めて、教室に顔を出した。







夢瞳「ヴ」







机にうなだれている、

問題児を発見した。







爽「はかどってんのか」







目を細くして、顔をあげたヤツ。







夢瞳「協力助っ人!」







机の上のプリントを手に取る。







爽「……お前」







いきなり目を

輝かせてくる問題児。







爽「一問もしてねぇじゃねえか」







プリントを乱暴に返すと、

ヤツは言い訳を始めた。







爽「昨日も言ったろ。言い訳無用」


夢瞳「解んないんですって!」


爽「これは、昨日俺が教えてやったやり方!」


夢瞳「えっ、あ、そうなんですか」


爽「そう。はい、やって」







やっとシャーペンを動かし始めた。







先生「ちゃんとしてるかー?」







先生が、教室に顔を覗かした。







先生「お、鈴原が手伝ってるのか」


爽「はい」


教師「それは心強いな」


夢瞳「ほんっと心強い」


爽「喋ってないでしろよ」