爽side









居候3日目。







夕食と風呂を済ませ、

豪邸の中を散策していると







いつもまにか屋上に着いた。







上から見下ろす、東京の夜景。







ベンチに腰を下ろし、

その景色に見とれた。







「先輩、居たんですか?」







反対側から声がして、

振り向くと問題児が居た。







爽「おう」







問題児は、

向こう側の夜景を見ていた。







夢瞳「先輩、シャーペン使ってくれてますか?」


爽「お、おう…」


夢瞳「……何で使ってくれてないんですか」


爽「いや、使ってるって!」


夢瞳「本当は?」


爽「…使ってねぇ」


夢瞳「ガビーン」







昨日、急に問題児から

シャーペンを渡され、







からの、筆箱に無理やり入れられた。







夢瞳「可愛いと思ったんだけどなあ」


爽「いいか。俺があの柄を使うと思うか?」


夢瞳「んー、世に言うギャップ? 的な?」


爽「あっそ」







ちょっと、聞いてみたりして。







爽「おい」


夢瞳「はい」







いや、辞めとこうか。







夢瞳「どうしたんですか?」








この際聞いちゃえ。







爽「俺がよくつるんでるグループ解る?」


夢瞳「あ、あの3人組ですか?」


爽「そう。その中でさ」







その中で…___






爽「その中で、誰が」






聞きたいけど、







なぜか口が動かない。







「誰が一番タイプ?」って、







聞きたいのに。







夢瞳「誰が…?」


爽「誰が一番…」








何で、口が動かねんだよ。







爽「誰が一番、バカだと思う?」