夢瞳side









夢瞳「ヴヴ…た、ただいま…」


爽「変な声出すな」







相変わらず

涼しげな先輩は、

ソファに腰掛けて雑誌をめくる。







夢瞳「……先輩……助け、て…」


爽「居残りか」


夢瞳「はい…明日からです…」


爽「俺の教室まで丸聞こえ」







あちゃー。







夢瞳「先輩、一緒に居残り___」


爽「いやだ」


夢瞳「返事早すぎ!」


爽「ダメだ」







夢瞳「…そこをなんとか___」


爽「ダメに決まってんだろ」


夢瞳「おーまいがー」


爽「それより今日、

  勉強教えてやるって言ったろ」


夢瞳「あ、そうだった」


爽「テストの問題用紙、準備しろ」







急いで自分の部屋から、

グッシャグシャの

問題用紙を持ってきた。







爽「何で丸めるんだよ、バカ」


夢瞳「見てくないですからっ!」


爽「伸ばすの大変だろ」







丁寧に、シワを伸ばす先輩。







そして始まった、

地獄のお勉強タイム。







爽「こうだからこうなって…」


夢瞳「はっ!? ここ、もう1回!」


爽「お前、もうここ5回目だぞ」


夢瞳「理解力がないから仕方ありませんよ!」


爽「あー、はいはい。言い訳無用」







4時から3時間、

ぶっ通しで勉強をして

終わったのは7時。







執事「お嬢様、爽様。

   夕食の準備が出来ました」







執事にそう言われて、

あたしはダイビングに

向かおうとした。







爽「おい」


夢瞳「はいっ」


爽「…明日の居残り、行ってやる」


夢瞳「え!?」


爽「んもー! 何回も言わせんな、アホ!」


夢瞳「素直じゃないんだから~♪」


爽「調子のんな」


夢瞳「はい」







なんだかいい日になりそうな予感。