「慣れない感じの方が新しい恋人っぽいだろ。
徐々に慣れればいいから」

慣れる気がしない。

「じゃ、今呼んでみて、よくある名前だし、万が一間違えられて一発でバレると困る」

先程から感じていたが会話のペースを相手に持っていかれているような気がする。

「ゆ、悠」

噛みながらも恐る恐る呼んでみる。

「…………………いんじゃない?」

今の間は何だ。

その後、連絡先を交換して実感が湧かないまま家に帰った。