「は?え、いや、なん……」
「嫌?」
「そうじゃなくて………なんでですか?」

「アイツ、なんか勘違いしてくれたから諦めただろ?」

まあ、確かに

『まさか、新しい彼女⁉︎』
彩香の驚く顔がリピートされる。
見事な勘違いだ。

「なら、そのまま勘違いして貰おうかなって」

「だったら黙っててもバレないんじゃないんですか?
か、彼女なんて……」

「アイツ、ウチの学校にも友達多いし、もう出回ってるかも」

な、なんと!
女子の情報網怖い!

『私、許さないから』

「私、もしかして危ない?」

「かも」

アッサリ言う廣瀬は青汁を吸う。
気に入ったようだ。

廣瀬と彩香の間の事には興味はない。
しかし、今の学校生活が灰色になるのは困る。

「どーしたら……」

「だから、俺と付き合って」

「え?」