そう言い残し、彩香はスタスタと店を飛び出していってしまった。 突然の出来事に廣瀬も鈴も店の客も店員も呆然としていた。 「お、追わなくていいんですか?」 一番最初に我に返ったのは鈴だった。 「いや、いい。そんな気力ない」 「で、でも」 「これ見て」 廣瀬が出した携帯のメール履歴を見て目を疑った。 ビッシリと並ぶ『彩香』の二文字。 しかも、よく見ると一時間置きに記されている。