「い、要らないならいいです」
私、何言っているんだろう、と振り返ると恥ずかしくなり下げようとした。
「待て、いるいる」
「あ、」
あっさりと奪われる。
廣瀬は恐る恐るとストローに口を付ける。
「あ、本当だ。
意外と美味いな、これ」
フッと軽く笑う。
「あ………はい」
「?なんだよ、飲むかどうか聞いたんだからいいんだろ?」
溢れるような笑顔に見惚れていたとは言えない。
「意外と表情変わるんですね、学校とはイメージが違うっていうか」
「…………安売りしてないだけだ」
廣瀬は何故かバツが悪そうに表情を曇らせた。
