壁に追い込まれたまま何が起こっているのかかんがえていると
ーーキーンコーンカーンコーン
あ!予鈴なっちゃった!!
生田くんから逃げるように離れて
「またねっ」
生田 海瀬くんとばいばいして
教室に向かう。
あれ?
初対面だと思ったんだけど
あの男の子どっかで見た気がするなあ。
もやもや。
ぺしっ。
いたい!
たたかれた頭を抑えて後ろを振り返る。
もちろんこの方です。
「る〜き〜く〜ん〜」
はい。瑠希です。
「なにもされなかったか?」
「うんっ。友達になったの」
るんるんっ。
「は。名前は」
な、なんか瑠希さんの頭に鬼が見えるような...。
「生田 海瀬くんだよ。とっても優しいの」
と言うと
瑠希の顔がみるみる怖くなっていきます。
般若です。
ひえええ。
「生田 海瀬っておまえ...」
「ん?なあに?」
「覚えてないのか?」
覚えてない?ってなんのこと?
そういえばさっきも生田くんが言ってたような。
…………うーむ。
考えるポーズをしてもわからない。
瑠希はほっとした顔になって
「実験室。おくれるぞ」
と言ってきた。
は!
もう時間だった!
急がなきゃ。
猛スピードで準備をしました。
