大きく、広いこの会場にぎっしりのお客さん達がいる、その目的が私なのだと毎回実感する

さて、そろそろ時間

いおん「夢月、そろそろいこっか?
たくさんの客がお前を待ってるぜ?」

「えぇ、いきましょう」

〈コツコツ……〉

いおんと私はステージの真ん中に立つ

そして、拍手が上がる

いおんは、ピアノの前に座り、けんばんの前で構える

私は、左手に持つヴァイオリンを首もとに挟み、構える