でもね?
私のことが好きな俊哉ならわかると思う。
人を好きになるって気持ちがどれほど大きいか…
だから、私…
和樹と一緒にいたい。

「そっか…」

そう言うと、私の方へ少しずつ足を運ぶ俊哉。

何も考える暇なんてなくて、俊哉が私を優しく包み込む。

「ちょっ‼︎え⁉︎俊哉…?」

パニクる私とは裏腹に俊哉はとても冷静だった。

「少しだけ…少しだけの間こうさせといて……」

俊哉は聞こえないぐらいの小さな声でそう呟いた。