世界を敵にまわしても

「心にあげるよ……」

ふとそう言って彼は私に一本のガーベラをさしだす。

「今の心に必要な花……」

私に必要……?

花を受け取って、秀哉くんを見る。

「花言葉は、前進、希望」

そう言ってまっすぐ私を見つめる秀哉くん。

前進……希望……

「前を見て……そこに真実があるかもしれない。」

そういう彼の目は力強かった。

私はお礼を言ってその場を離れた