世界を敵にまわしても

「昨日、心音に言われたこと考えて。んで、辞書で引いた」

私が顔をあげると、先生はまっすぐ私を見ていた。

さっきのおどけた様子とは違うまっすぐか目

「恋とは……”男女が互いに相手をこいしたうこと。また、その感情。”こい”だそうだ。」

ご丁寧に広辞苑で調べてくれて…

「お互いに…か…」

私の呟いた、一言を聞き逃さない先生。

「手伝ってやろっか?」

私はそのまま目を大きく見開いた

「恋…してませんから…」

私の言葉を聞いた先生はにやっとわらって私を見る

「三年E組、大門 秀哉…ね…」

あいた口が塞がらないとはこのことだと思う…

「秀哉くんの…こと知って……」

私が何が何だか混乱してると、先生は陽気な笑顔を私に向ける。

この先生のこの笑顔……嫌いじゃない

けど、今のこの瞬間でこの顔は嫌だ。

「昨日、見たからな」