世界を敵にまわしても

「お前は………、お嬢様を危険に晒すわけにはいかないだろっ」

ジロリとカイを見たナダルの言葉もまた、強い口調だった

私はカイとナダルを交互に見て唇をきゅっと噛んだ

「私が…行きたいの」

そういい終わらないうちに、ナダルが私の肩をきゅっと掴んだ

「いけません。旦那様のこともございますから。それに、お嬢様自身のご安全が…」

また何かを言おうとしたナダルの言葉を遮るように、後ろから私の旅行用のリュックが投げ込まれる。

「こいつは行きたいんだから、連れてけばいいだろ」