世界を敵にまわしても

カイが一言一言づつ、言っていく。

それに私はいまいち会話が読めないけど、読めてるふりをしながら、カイの話に耳を傾けた

そんなとき、突然カイの口がとまった。

「かい⁈…かい!」

思わず大きな声になってしまったのか、またカイが私の口を手で覆う

「かっ………っ!」

目を丸くしたカイに口をさっきよりも強い力で抑えられた。

息ができるかできないかの境目にある。

なぜ急にこんなことをしたのかわからない。

ただ、カイの目は大きく見開かれ、

顔面蒼白になっていた。

私が、カイの胸をバンバンと叩くとようやく解放された

求めていたかのように酸素を思いっきり吸う

あの顔面蒼白の意味…

「教えて……。」

思わず言ってしまったようだ

カイは俯いて何も話そうとしない

それでも私はカイの目を真っ直ぐ見てもう一度言った。

「知りたいの。教えて…」

自分でも若干、唇が震えててそれと一緒に声も震えてるのが分かる

カイは一度目を深く閉じて、決心したように開けて、私を見る

そして、言った。

「心音が、き…ら。」