世界を敵にまわしても

私の声が案外大きかったのだろうか

慌てて今度は私の口をカイの手が覆う

中で誰が話してるかわからないし、どんな内容かもわからない。

けど、パパっぽい声がする。

もし、パパだったらこの時間にパパがいることは…

明らかに不自然。

いつもは、所属のホテルにいるのに

書斎にこもって仕事なんてやらないのに

おかしい。

絶対におかしい。

「ナダルさんと…旦那様じゃん⁈」

ふっと、カイが今度は小さな声で呟いた。