世界を敵にまわしても

パパの部屋を通り過ぎようとしたとき、中から話し声が聞こえてきた。

「…………キラ……お……」

「し………こ……ね……」

うまく、聞こえない。

聞き取れない。

私がふと立ち止まると、後ろにカイがぶつかった。

「痛ぇ。あのなぁ、急にっ……」

私は慌ててカイの口を手で覆う

「静かにっ。」