目を覚ますと、私はまだ一ノ瀬に抱かれたままだった。


「目が覚めましたか」


低い声で話す一ノ瀬が怖い。
冷たい表情で私を見下ろしていた。


怖い。やだ。逃げたいよ…。


徐々に震えてきた。恐怖からの震えだった。


「降ろして…一ノ瀬…」


「また、逃げるでしょう?もう離しませんよ。」


低い声で怒ったように言う一ノ瀬。


一ノ瀬の腕は、男の人の腕だった。


力強くて、私には叶いそうもない。


一ノ瀬の顔を見上げると、やっぱり大人っぽく、男の人っぽいかおだちだった。


彼は、少年っぽい感じだったけれど。


一ノ瀬の場合二重で切れ長な目で、筋の通った高い鼻。


そして、整った薄い唇、そして、黒髪でかなりの長身私より遥かに背が高い。


一方しゅうは、真ん丸な綺麗な瞳に、高い鼻、そして笑うと白く光る歯。


髪色は少しばかり茶色で、身長は私より15センチくらい高かった。