「…あ、そうだ。これ」
篤人は鞄の中から可愛くラッピングされた袋を差し出してきた。
「…何?これ」
「…ちょっと早いけど、誕生日プレゼント」
「誕生日って、二ヶ月も先だよ?」
今は三月。
あたしの誕生日は五月。
「会えるか分かんねぇじゃん」
「…そうだよね。ありがとう」
「…おう」
「開けていい?」
「家帰ってから開けて」
「えっ、もう開けちゃったよ?」
「は⁉︎だったら聞くなよ!ってか、開けるなよ!!」
焦ってプレゼントを奪おうとしてくる篤人を上手く交わす。
袋の中を見ると、そこには可愛いクマのストラップが入っていた。
「…可愛い!ありがとう!!」
「お前、クマ好き…だろ?」
「…覚えててくれたんだね」
「当たり前だろ。ガキの頃からずっと一緒なんだから」
あたしは小さい頃、よくクマのぬいぐるみを抱いていた。
今でもクマは好きで、鞄にはクマのぬいぐるみキーホルダーを付けている。
篤人はずっと覚えててくれてたんだね。
…嬉しい。

