あたしがまだ高校生だった頃の話。
生まれも育ちも田舎。
畑や田んぼが広がっていて、平和でのどかな町。
あたしはそんな町が嫌いではなかった。

でも、外の世界に出たいとも思った。
もっと上を目指したいと思った。



あたしには、幼稚園の頃からずっと一緒の幼馴染みがいた。



広瀬 篤人。
家も隣で、小さい頃はよく遊んだりした。
あたしにとって、特別な人。



そんな彼もあたしと同じことを考えているとは思わなかった。




大学受験を控えているあたしたちは、東京の大学を目指していた。



広い世界に出るために…