「タイムスリップって…だってここ渡良瀬だよ?」


否定しながらも


なぜか


本当のように思ってしまう。


「渡良瀬は多分、昔からあったんだろ…」


確かに

着物を着た人しかいないし

制服をきているのなんて

私たちくらいしかいない。



「嘘…でしょ…?」


「坂本龍馬がいたってことは…幕末か…」

隆がシリアスになっているところも

笑えない。


「どうすればいいの!?帰りたいよ!隆ぃい」

一気に不安が押し寄せた私は

隆にしがみついた。


「お、おい。落ち着けよ」

「落ち着けるわけないでしょ!?タイムスリップだよ!?タイムスリップ!!」