？「ハッピーバースディー！！！」

大きな声とともにクラッカーの音が店内に鳴り響いた。

美咲「何…！？」

美咲は動揺を隠せない。未だに心臓の鼓動は高まっている。

私「美咲…誕生日おめでとう！！今日は美咲の誕生日でサプライズをしようって考えてたんだ。そこで何店か書店へ回って状況を伝えてお願いしてさ。んでここの店長さんが承諾したってわけ。」

店長が一歩前に乗り出してきた。

店長「美咲さん誕生日おめでとう。林さんから状況を聞いて、私も少し子供心を思いだして、ちょっと怖い事もしてごめんなさいね。でも周りの人もみんな賛同してくれてさ。本当におめでとう」

周りの人達から祝福の拍手が聞こえて来た。


美咲は恐怖心から一転目に熱いものを感じた。

美咲「みなさん。ありがとうございます。私…私、とっても嬉しいです。」

美咲の目の前にはケーキが用意されており、華やかな装飾がされていた。

私「美咲、これ俺からのプレゼント」

そう言って美咲に「灰色の世界」の本を渡した。

私「常道って言ったらいいか分かんないけど、本当の自分を知ってもらいたくて。会社員って嘘ついていてごめん。今は小説家として良い本をより多くの人に読んでもらいたくてさ。」