大好きな手

私は相原絵里(あいはらえり)。

ごくごく普通の子。長所と言えば、明る く男女問わず友達は多い方かな。

そんな私が、学年で1番とも言われる男の子から告白されて、付き合い始めたの


彼の名前は岩崎健人(いわさきたけと)



185センチの長身に端正な顔だちでバスケ部のエース。入学式の時から目立ってた。
クラスは違ったけど、体育の授業で同じだったのと、最寄り駅が同じだったのもあり、顔を合わせる機会が多く自然と仲良くなったの。

告白された時は半信半疑だった。見てくれも良けりゃ、話せば話すほど優しい性格。絶対に好きにならないと心に言い聞かせてたくらいだったから。ウソかもしれないと思ったけど



「私でいいの?たけちゃんなら私なんかじゃなくて、もっと良い子がいるよ?」

「絵里がいい。絵里とじゃなきゃ意味がない」



こうして始まったお付き合い。
でも付き合った日の翌日は何も無く、すれ違う事も出来ずに終わってしまった。
その翌日も。



なんだかだんだん夢だったと思うようになってきてたのと、他人の事ならとことん頑張ってしまうくせに、自分事となると途端に消極的になってしまう性格もあり、自分から行動出来ずに数日過ぎてしまった。



「はぁ〜、どうしたもんかなぁ、、、」



ため息吐くのも、落ち込むのも、教室。廊下に出たら、たけちゃんと会ってしまうかもしれない。付き合い始めて数日は廊下にも出てみたり、目で探したり色々したけれど、あんなにしょっちゅう顔合わせてたのに付き合い始めてからは、本当に会えないの。



避けられてる気がして、顔合わせるのが怖くなってきて、教室からナカナカ出られなくなっちゃったの。


「絵里??何さっきからため息ばかりついてんの?岩崎のこと??お前、からかわれてんじゃねぇの?」


と、いちゃもんつけてくるのは親友の1人。

野田敦(のだあつし)

タケちゃんと張り合うくらいのイケメンで女子にも絶大な人気があるんだけど、年上の女しか興味が無いらしく
学校で口を聞く女子は
私ともう1人の親友の佐々木桃香(ささきももか)くらい。
男子とは凄く打ち解けてるけどね。
ちなみに桃香は小柄で目がぱっちりでほんわかしてとても可愛いの。勿の論、男子からかなりモテてる。
気を許した相手には本性の男勝りな性格を見せてくれる。そんな桃香が私は大好きなの。普段はおもいっきり仮面かぶってるけどね(笑)



「ちょっと敦‼︎‼︎私の可愛い絵里が、からかわれるわけないでしょうがっ‼︎‼︎
岩崎健人どうしたんだろうねぇ、エリィ〜元気出してぇ〜‼︎」



「はぁ〜、ありがとう 桃香。でも敦の言う通りかも。だって、私だよ??こんな平々凡々な私がタケちゃんと、、、」


ジトーーっと睨んでくる敦&桃香。



「ううぅ〜 」



「「絵里はいい女だよ‼︎‼︎‼︎」」



「ううぅっ!あ あ ありがとっ」



「「わかればよし‼︎‼︎」」



「景気づけにカラオケでも行かね?!そんで、岩崎健人だかなんだか知らないけどさ、無かった事と思って忘れてしまえ」



「うーーーーん。そ、そうだね!敦ありがと‼︎カラオケね、行こう行こう‼︎」



私がいつまでも落ち込んでると2人に心配かけちゃうから、もう気にするのやめよう。

「私、ちょっとトイレ行ってくるね!」


ちょっと頭冷やして来なくっちゃ。


絵里が席を外してる最中


「敦!私はエリの味方だからね‼︎岩崎健人の状況はちょっとわからないけど、行動を起こして絵里を振り向かせたのは岩崎健人なの。敦は友達に甘んじて、絵里に気持ち伝えなかった。」


「わ わ わかってるよっ‼︎俺だって。自分がヘタレだったから先越されたって!でも、いつも側にいたのは俺。それなのに、毎朝登校が一緒ってだけで持ってかれちゃうんだもんなぁ〜。絵里が幸せそうなら良かったのに、あんな顔されたら奪い返したくなる。」



「あらあら、学校の王子様2人の心を鷲掴みにするなんて、私のかわいこちゃんも罪な女だこと〜」



なんて会話があったなんて私は知らない



放課後、3人でわいわい話ながら校門を出ようとした所で、重そうな荷物を片手で抱えた生徒が学校に向かって歩いてくる。


「えり!!!」


「え?え? た た たけちゃん⁈‼︎」


「ちょっと待ってて、後で話すから」
と私の手を握った。


敦が私の反対側の手を掴んで何か言いたそうにしてる


「俺の女に触るな」とタケちゃん


なんだか私の上でバチバチ。桃香は面白そうにしてる。



「んっだよ‼︎わけわかんねぇー!今日の所は諦めてやる。絵里、何かあったら俺に言えよ!」




「言う事なんかねぇよ、帰れ!」




「はいはい、2人とも‼︎今日はそこまで!!敦‼︎‼︎行くよ?!岩崎健人。絵里の事よろしくね?」



と桃香が敦を引きずるように連れて帰った。




「絵里、ごめんな。ちょっと山下(バスケ部顧問)の所まで、付き合ってくれる?」といつもの優しい笑顔で手を握ったまま歩き出した。



恋人になって、初めて手を繋いだ。私の右手はしっかり握られ右半身がくっついてる。暖かくてくすぐったい。そして胸の奥がどうしようもなく熱い。



用事を済ました後、電車で最寄り駅まで戻ってきて、近くの公園に来た。



タケちゃんに告白してもらった公園だ。



「絵里、連絡も無しに一週間もごめんな!実はバスケの全日本の合宿に急遽呼ばれて行ってたんだ。元々の選手が怪我で暫く復帰は無理なんだ。本当に急だったのと、合宿中は携帯も禁止でさ。本当ごめん。終わって、会いたくてすぐ学校に戻ってきたんだ。会えてよかった〜‼︎‼︎」



ギューーッと私を抱きしめた。



「良かった、、、。私、騙されたのかと思ってたの。だって、タケちゃんカッコいいのに、こんなに優しくて、私には勿体無さすぎるっていうか、、でも、タケちゃんの事、すすす好きって事に気がついちゃって、不安で悲しくて、会いたいけど会いたくなくて…」



恥ずかし過ぎて、タケちゃんの胸に顔を埋めていると、急にガシッと引き離された。



「絵里?それ本当??俺の事好きって本当??!あの野田って奴は??」



「えっ?敦の事??敦は桃香と同じくらい大切な親友だよ!敦は私みたいなのは好きじゃないよ?年上のボンキュッボンが好きなんだよ?私はタ タ タケちゃんが、大好きなんだょょ⁈」



「(気付いてないんだ)まっ、いっか!絵里が俺の事見てくれて良かった!野田の話は忘れて‼︎考えなくていいからっ!
てか、本当かわいすぎる。大切にするよ」



そして、タケちゃんが私に優しくキスをした。



次の日から、健人と絵里は学校中が羨むビッグカップルになりました。
それに気付いてないのは絵里だけ。



エリの右側にはいつも健人が寄り添っています。



健人の大きくてちょっと硬い手が絵里を守っています。


1話完