「茉央」
何度か通った病院も、今日行けば次で終わり。こうして2人で歩くのも。
夏休みだっていうのに、2人で会うのは病院に行く時だけだった。
梨花とシロも含めた4人で集まることはなかった。気を遣ったのかもしれない。珍しくシロからの誘いもなかった。
「レポート、終わった?」
「うん、終わったよ」
「まじで、俺終わってねぇ」
「んふふ、早くやらないと夏休みなんてあっという間だよ」
こうして歩く2人の時間が気まずくないのは、優真がいつも通り接してくれるからなんだよね。
少しずつ終わりに近づいてる。
優真はそれを分かった上でこうして普通に接してくれてるんだ。
それを考えると、やっぱり無理してるんじゃないか、なんて思ってしまう。
「次で終わりだっけ?」
「うん、そうだよ」