なぜか高校生活を思い出したとき、自然と浮かぶのは2人の姿で。

どうしてもこれから先、ずっと咲良の隣に加地がいるところを想像出来ない。

咲良と加地にそんなことを言うつもりはないし、咲良と蓮くんの関係をどうにかしようとも思わない。


「…白城くんって正直だよね」

高橋が立ち止まってそう言うから、急に何だって思って振り向いた。

「正直?俺が?」

「うん、正直だよ」

こんなことを言われたのは初めてだった。

「だって、普通そんな風に言えないよ、そんなこと」

そんなこと?

…あぁ、たしかに。普通なら思ってても黙ってることなのかもしれない。


「これ、茉央と加地くんには内緒ね」

苦笑いの高橋は、歩き出して俺の横を通り過ぎた。追いかけて並んで歩くと、ポツリと話し出す。