優真のためだったものが、先生のためになってきてる。それが分かっているのに止められない自分がイヤ。
…白いフレアスカートだけは、やめておこう。あれは優真に見せたくて買ったの。
だから、あれは先生の前ではかない。
「咲良さん」
「え…」
白いフレアスカートなんて、どうでもいいことを考えていたとき。
聞き覚えのあるような女の人の声が、あたしを引き留めた。
振り返って顔を見ても一瞬思い出せなかったけど、すぐに嫌だと思った。
誰だっけ、なんて考えて。
何で嫌なんだろう、って考えて。
思い出した。
「…吉野、先生…」
あたしの苦手な、保健医。



