「流星、人様に迷惑かけるな。チョコレートなら俺が買ってやるから。それでいいだろ」


「…うん」



少し冷たい紫苑くんの声に元気だった流星くんがしょんぼりとしてしまった。




「いやいや。私、お菓子作るの好きでよく作るんだけど、いつも余っちゃって大変なんだ。友達は甘いの食べないし」




それに元々紫苑くんにはお礼で渡そうと思ってたし。




「ゆずちゃん甘いのきらいっていってた!でもりっくんはすきー!」




燐奈が右手を上げながら元気に言う。

最近2人に会って遊んだからか、名前も情報も正確だ…。




「あ、こら。私が仲良い子ほぼいないってバレるだろ!」


「でもゆずちゃんもりっくんもねえねとなかよしだよ?」


「あの2人は特別」




不思議そうな燐奈の頭を撫でてからもう一度、紫苑くんをみた。




「…と、まあ、私に友達がいない事もあってですね。一緒に食べてもらえるとありがたいんだけど…」


「侑未ちゃんが迷惑じゃないなら…」


「迷惑だなんてとんでもない!ありがとう!」




複雑そうな顔の紫苑くんに笑顔を向けると、紫苑くんも困ったように笑ってくれた。