家に帰ってから妙におとなしい燐奈をリビングに残し、制服から楽な部屋着に着替えた。



「燐奈ー、着替えようかー」



燐奈の着替えを持ってリビングに入るとクタッとしている燐奈が目に入った。



「燐奈?」



少し様子がおかしい気がして燐奈の側に駆け寄る。



「ねぇね…」



目が潤んでるし、顔が赤い…。



「…熱ある?」


「んんー…」



そっと燐奈のおでこに手を当てた。



「あつ…。燐奈、熱計ろう」


「うゔー…」



苦しそうな燐奈に体温計を渡して、脇に挟んでもらう。


どうしよう。
こういう時って病院だよね。


この辺に小児科ってあったっけ。
どこが一番近い?

てか、もう6時だけど診察って何時まで?




「お母さんに…」



ケータイをとってお母さんのケータイ番号を探そうとして動きを止めた。




「違う…。もういないんだ…」




ピピピッ…



体温計が鳴った音でハッとした。