「そう?」


「うん。あ、やっすんもここで食べなよ」



ぽんぽんとお弁当を広げている机を叩いた。



「わ、ありがとう。柚亜の隣ゲットー」


「はいはい」


柚亜の隣の席から椅子を持ってきて嬉しそうに座った。



…カップルと私って嫌だな。



「よし、陸斗。お前もここで食え」


「…どうしてそんなに上からなんだ」


「私は偉いからだ」


「はいはい」


やっすんを誘ったように机を叩いて誘うと、呆れたように返事をして私の隣の席から椅子を持ってきた。



「じゃあ俺もここで食うー!」


「席はないけどな」



お弁当を食べながら、教室を出て行く波崎を見送る。




「どけや、黒星」




すぐに戻ってきたと思ったらこれだよ。

なんでこんなに喧嘩売るのが好きなんだ?




「なんでだよ」


「早瀬の横は俺って決まってんねん」


「お前は立って食っとけ」


「早瀬がいうなら…。早瀬の後ろに立って食うわ」



やばい。
こいつ本当に私の後ろでパン食べ始めやがった…!



「…引くわ」


「なんでや!」



騒がしくお昼ご飯を食べ、午後の授業を受けた。