「紫苑くんっ!ごめん!遅くなった!」
砂場の側に座っていた紫苑くんに駆け寄る。
「いや、別に。忘れ物、みつかった?」
「うん。おかげさまで」
「ならよかった」
少し微笑んでくれた紫苑くんに不覚にもドキッとしてしまった。
「燐奈、見ててくれてありがとう」
「いいよ。燐奈ちゃん、流星よりも断然いい子だし」
「そうかな…」
家ではなかなかうるさいんだけど。
「そろそろ暗くなってきたし、帰ろうか」
「そうだね。ごめんね、時間大丈夫だった?」
「大丈夫」
立ち上がった紫苑くんは流星くんのところへ行って帰るぞと声をかける。
紫苑くんは私の周りにいない人種だな。
クール?んー…とりあえず優しい、いい人。

