「燐奈、危ないからいきなり抱きつくのはダメ。わかった?」


「はあい」




しゃがんで燐奈と目線を合わせて言えば、しょぼんと眉を下げて返事をしてくれる。




「よし。いい子」




よしよしと頭を撫でてから、立ち上がって燐奈と手を繋いだ。




「あれ、紫苑くんの弟くんは?」



少しだけ微笑んでいるように見える紫苑くんの隣には誰もいなかった。



「…まだ出てこない。渚さんも」


「りゅうくん、おしっこ!」



私の隣で燐奈がぴょんぴょんと跳ねながら教えてくれる。



「トイレみたいだね。燐奈、一緒に待っとこうか」



しゃがんで燐奈と目線を合わせながら話す。



「りゅうくん?」


「うん、一緒に帰ろう」


「やったあ!」




流星くんと一緒にいれるのが嬉しいみたいで、くるくるとその場で踊り出した。