「5分くらい、お話ししませんか」




少し勇気を出して唄弥くんに話しかけてみた。



渚さんも中に戻ってしまったし。

なんだか無言は気まずいし。



「あー…はい」



あ、なんかちょっと面倒くさそう。



「とりあえず、同い年みたいだし敬語はなしで」


「わかった」



面倒くさそうでも暇なので会話に付き合ってもらいます。




「唄弥くんは…」

「紫苑でいいよ。流星もいる時に唄弥って言ったらあいつがうるさいから」



「じゃあ、紫苑くん。私も侑未でいいよ」


「侑未ちゃんね」




ちゃん付けか。

渚さんもだけど慣れないな…。





「侑未ちゃんは…なんで妹?の面倒みてるの?」


「んー、燐奈には私しかいないから」


「え?」


「他界したんだ。2人とも」



紫苑くんは私の言葉に驚いた顔をして、すぐに申し訳なさそうな顔で俯いた。



「あ…ごめん」


「いいんだよ。もう立ち直ったから!」




紫苑くんに笑顔を向けると、困った顔で笑顔を見せてくれた。