「げっ!」
「…どうした」
5分くらい歩いた所で柚亜がケータイを見て可愛くない声をあげた。
「…グループの奴らが暴れてるって連絡が入った」
「あら」
そんなに難しい顔でケータイ操作してる子いないだろうってくらい険しい顔してるよ、この子。
「着信もすごい入ってる」
「それってやばいんじゃ…」
「夕方から暴れてんじゃねぇよ…このバカ共が」
舌打ちが聞こえたかと思えばものすごく不機嫌な顔で呟いた。
「怖い怖い」
殺気がだだ漏れですよ、柚亜さん。
「ごめん、ちょっと行ってくる」
ため息と共に吐き出すように言うと、自転車に跨った。
「はーい。気をつけてね」
乗っけていた鞄を柚亜から受け取る。
「うん。ボッコボコにしてくる」
「わーお」
言葉とは裏腹に爽やかな笑顔を向けて自転車をこいでいった。

