先生から聞いた病院までの道をバイクで飛ばす。
『お母さんが事故に遭われたんです!今病院で治療を受けてますが、危ない状態だそうです。早く病院へ…‼︎』
なんで。
なんで…お母さんが事故に遭ってんだよ。
「くそっ!」
状況を上手く飲み込めずに、ただバイクを飛ばして病院へ急いだ。
「お母さん…‼︎」
受付で聞いた病室の扉を勢いよく開く。
でもそこではベッドで寝ている人の隣に看護師さんと医者が立っているだけで、何もしていなかった。
「…おかあ、さん?」
何、治療しなくてもいい傷だったの?
それとも、もう手当てが終わったの?
「早瀬、侑未さんですね?」
「え…あ…はい…」
ベッドの横に立っていた白衣を着た男の人が私に話しかける。
「最善を尽くしましたが、残念ながら…」
「え…?」