なんの変哲もない、ごくごく普通の時間が過ぎてもうすぐ5月の中旬。
いつも通りお母さんからお弁当を受け取り、いってきますと言って家を出た。
今日は仕事が休みって言ってたな。
保育ルームには早めに迎えに行くんだろうから、帰ったら燐奈と遊ぼう。
なんて考えながら、学校までの道をバイクで走って行った。
ごくごく普通の朝で、学校に着けば柚亜と陸斗とたまにやっすんと話して。
お昼ご飯もお母さんの美味しいお弁当を食べて。
なんとなく、午後の授業に出た。
5時間目の授業中。
化学の授業が眠たくて、欠伸をして涙目になりながら空を見上げていたら、急にバンッと教室の前の扉が開いた。
「早瀬さんっ‼︎すぐに帰る用意をしてください!」
「え?」
「お母さんが…‼︎」
え?
お母さん…?