それから陸斗と2人で他愛のない話をしていると、お昼休みを告げるチャイムが鳴った。
それを聞いて、立ち上がる。
「んじゃ、教室帰るわ」
遅くなったら柚亜に怒られるし。
「俺も行く」
「えぇー…」
立ち上がった陸斗を嫌そうな顔で見る。
「なんだよ!俺も想(Sou)と約束してんだよ!」
「想…やっすんか。陸斗のおもりしてくれるなんていい子だな」
「おもり⁈」
さて、うるさいアホは放って行こう。
なんだよそれ!とか言いながら、すでに屋上の扉に手をかけている私を追いかけてきた。
仕方がないからそのまま2人で廊下を歩く。
ヒソヒソと聞こえる人の声。
嫌悪、恨み、妬み、好奇、色々な視線。
全部、私が嫌いなもの。
うっとうしい…。
「おい、怖いから」
「あ?あぁ…悪い」
隣にいる陸斗が呆れたように私を見ているのがわかって、やっと我に返った。
「あんまり気にしすぎんなよ」
「これでも前よりマシになってんだから」
「確かになー。中学の時はヒドかったっ…いてぇ‼︎」
「あぁ。ごめん、手がすべった」

