「あの、由愛とどういう関係なんですか?」



仕事が早く終わって帰ろうと玄関を出たら、由愛の幼なじみ朔弥ってやつにそんなことを聞かれた。



「なんでそんなこと聞くの?」



「前、2人が同じアパートに帰ってくのを見たんです。隣同士なんですよね?」



「そうだけど、それが何?」



てか、見られてたのか…



これから、一緒に帰らないほうがいいな。



生徒に見られたら絶対やばい。



「俺は、由愛のことが好きです。」



だろうな。



前、由愛の部屋に行ってたしな。



「そんなこと俺に言ってどうすんの?」



「由愛のこと好きじゃないなら、近づかないでください。」



ほう…



俺があいつのこと好きじゃないと…



「甘いな、お前。」



「は?」



「好きでもない女と一緒に帰ると思うか?」



「……………」



「この言葉、どう捉えるかはお前次第だな。」



そう言って帰ろうとしたら



「負けませんから。」



と宣戦布告してきた。



だから、



「上等。」



と言いながら笑って帰った。


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ある休日、俺は慎の家に来ていた。



本当は行きたくなかったんだけど…



どうしても聞きたいことがあったから、行くしかなかった。