「由愛の話を聞いてる限り、工藤先生は由愛のこと絶対好きだと私は思ってたの。だけど、振られたっていうことを聞いて、わからなかった。どうして振ったのか。それで、どうやって振られたかを聞いてピンと来たの。教師という肩書きに縛られていたことにね。」



「でも、卒業したら付き合ってもいいはずだよね…?」



「うん。だけど、工藤先生はそれが嫌だったんじゃないのかな。先生と付き合ってるって言うだけでまわりに、なにか言われたら由愛が辛い思いをすると思ったから振ったんじゃないのかしらね。」



「確かに、言ってた…辛い思いをさせるくらいなら他のやつと幸せになってほしいみたいなこと…」



「けど、振ってから由愛と会わなくなって後悔した。失ってから気づくってやつよ。由愛の存在が工藤先生にとってどれだけ大きかったかやっとわかったのよ。」



「だから、もう1度会ったら好きって言おうと思ってたって言ったんだ…」



「そういうことみたいね。」



「綾!ありがとう!」



「私はなにもしてないわよ。でも、よかったね。」



「うんっ!」



「由愛、そろそろ家に行かなきゃいけない時間なんじゃない?」



「あ、本当だ!おうちデートの時間!」



「おうちデートって家でゆっくり過ごすだけじゃない。」



「いいの!綾、本当にありがとう!また遊ぼうね!」



「うん。がんばってね、いろいろと。」



「うん!またね!」



うんって元気に返事してたけど、いろいろとの意味わかってないんだろうね、あの子…



だけど、そんな由愛も好きよ。



もちろん、本人にはそんなこと言わないけどーーーーーーーーーーー