Sweet Love

「でも、美雨さん先生に会いたいって言ってましたし…」



「美雨は、高校時代のこと謝まりたかったって言ってた。別に好きだとは言われてない。それに、あいつ会社の社長と付き合ってるらしいし。」



「え?!そうだったんですか…」



私、そんなこと聞いてない…



「だから、付き合ってない。それに…」



「それに?」



「俺は、ずっと前から好きなやつがいるし。」



「そう…なんですね…」



やばい…泣きそう…



早くここから出なきゃ…



そして、足を動かそうとした瞬間



「そいつは、鈍感で危なっかしくて自分が女だってことにわかってない。だけど、いつも一生懸命で真っ直ぐで笑顔が絶えないんだ。歌がすごく上手くて俺が今の中学に来てからそこの卒業生と初めて仲良くなった子だったんだ。」



え…?それって…



「会う度話しかけてくれて、優しくて心配ばっかして、自分のことより俺のこと考えてくれてた。けど、ある日俺は初めてその子の弱さを見たんだ。学校がつらいって言ってた。いつも笑ってる顔が今にも泣き出しそうな顔してたんだよ。その瞬間、俺は思ったんだ。1人でなんでも抱え込むから俺が支えなきゃ、守らなくちゃなって。」



私の目から一粒の涙がこぼれた。



「10年間、ずっと好きで会いたくて…だけど、会えなかった。もうあきらめようと思った。」