「この間の約束のことだよ〜」



「約束?」



なんかしたっけ?



「あー!忘れてたな?!歌だよ、歌!機会があったら歌ってくれるって言ったじゃん!」



「ああ!そのことか!本当に聞くの?」



「もちろん!」



「わかった…。ちょっと待ってて。」



そんな気分じゃないんだけどなぁ…



まあ、いっか…



気晴らしに…



そして、職員室に戻り、音楽室の鍵をとって出ようとしたら



「由愛ちゃん、どこ行くの?」



「あ、ちょっと音楽室に…」



「なにか忘れ物?」



「いえ、幼なじみが歌を歌えと言ってきたので歌おうと…」



「ふーん…がんばってね。」



「どうも。」



松田先生と少し会話をして、朔弥と音楽室に向かった。



それにしても、なんでそんなこと聞いたんだろう?



まあ、松田先生だし、そんな深い意味はないか…



「由愛、なに歌ってくれるの?」



音楽室に着くと、ケータイを出して音源を探してた私に朔弥はそう言った。



「ん〜?それは歌い出してからのお楽しみ〜」



あったあった。



マイクは…うるさいからなしでいっか。



私、声大きいし。



「じゃあ、いくよ…」



そして、音楽が流れはじめる。


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「由愛、この曲…」