「朔弥、私は寝たいの。そんなに聞きたいなら今度私の職場で歌ってあげるから」



「え、いいの?」



「いいよ。ただし、忙しくなかったらね!!」



「まじ〜?やった〜由愛の歌がまた聞けるんだ〜」



私の歌なんて聞いてなにがうれしいんだか…



「ねえ、由愛。話変わるけど彼氏とかいるの?」



「なんでそんなこと聞くの?」



「だって、由愛かわいいし…気になるから」



「かわいくないから。」



「相変わらず、鈍いなぁ〜」



むっ…



「なによ?どういうことかしら?」



「それより、どうなの?いるの?」



「いないよ」



「じゃあ、好きな人は?」



ドキっ



「い、いない…」



「うそだね」



「なんでよ?」



「由愛、嘘つく時目泳ぐもん。」



そ、そうなの?!



初めて知った…



「いるんでしょ、本当は。」



「うん…」



「いつから好きなの?」



「たぶん…10年以上前から…」



「そんなに?!向こうはどうなの?由愛のこと好きなの?」



「それはないよ!私の片想いだよ」



「なら、俺にもチャンスあるってわけか…」



「え?なんか言った?」



ボソって言われたからなんて言ってるのか聞こえなかった。