金曜日の夜、忙しくて中々やれなかった歓迎会をした



個室だと誰にも見られないから、普段学校にいる時と態度が違う先生方が大半だ



「それでは、今から歓迎会をはじめます！！」



佐野教頭先生の合図で歓迎会は、はじまった。



校長先生は、私用で欠席。



俺の隣には佐野教頭先生、そしてテーブルをはさんで向こう側には由愛が座っていた。



だけど、俺はいい気分じゃなかった。



席は全く問題ない。



だが、由愛の隣が問題だった。



「由愛ちゃん〜！飲んで飲んで〜」



由愛の隣に座っていたのは慎だった



俺は由愛の近くにいなかったのを後悔した



あいつが由愛に余計なこと言ってないか気になるばかりで食事が進まなかった



「工藤先生〜食べてませんね〜ちゃんと食べなきゃダメですよ！」



「なんかはしが進まなくて…」



「体調でも悪いんですか？」



「いえ、そういうわけでは…なんでしょうね。」



「もしかして、あの人のことですか？」



「あの人とは？」



「ほら、初恋の…！ずっと忘れられなかったって言ってた…！」



「ああ、美雨(みう)のことですか。美雨のことはもうふっきれてますよ。それよりも、ふっきれさせてくれた人の方が存在が大きいですから。」



「ほほう…宮本ですね？」



えっ…！



「なぜわかったんです？」



言った覚えないんだけど…



「見てればわかりますよ。宮本を見てる工藤先生は優しい顔してます。それを確かめたくて恋愛話をしたんですよ。」