「ん…」



「目覚めた?」



「紘人…」



目を開けるといつもの光景が目に入った



私確か音楽室で…



「大丈夫か?」



「はい…私なんでここに?」



「慎が見つけてくれたんだよ」



「松田先生が…?」



「うん。それで保健室まで運んでくれたの」



「そうだったんですか…」



「無理しすぎだってさ」



その次の仕事もやってたもんなぁ…



これからは気を付けないと…



「由愛…ごめんな?」



「え?」



「体調悪いの気付けなくて…」



「紘人…」



「俺、こんなに近くにいるのに…」



「謝らないでください。私は全然平気です。それよりも、紘人のそんな顔を見る方がつらい…」



「由愛…」



「だから、笑って?」



「うん」



その時ーーー



ポンッーーー



「あ…」



「ん?」



「今、お腹蹴りました」



「まじ?」



「はい。きっとお腹の中にいる赤ちゃんも笑ってって言ってるんですよ」



「そうかもな」



そう言って笑った紘人の顔はもう悲しみなんてなかった









4ヶ月後ーーー



「ただいま」



「おかえりなさい」



「だいぶお腹大きくなったな」