だから、結局告白できないまま俺はいつもあきらめるんだ



それがずっと続いていつの間にか10年がたっていた



あいつに嫉妬させたくて女を取っ替え引っ替えしたけど逆効果で…



なんでこうなったんだろうな



なんて思いながら時計を見ると10分はとっくに過ぎてた



由愛ちゃん、大丈夫か?



まさか…倒れたりしてるんじゃ…!!



俺は急いで職員室を出て、音楽室へ向かった








思いっきり、ドアを開けると由愛ちゃんが倒れていた



「由愛ちゃん!!」



「松田…先生…」



意識を失った由愛ちゃんを抱き上げて保健室に向かう



ガラガラーー



「あら、松田先生?どうかした……工藤先生?!」



「音楽室で倒れていました」



「ひどい顔…真っ青だわ…」



「大丈夫なんですかね…?」



「ただの貧血だと思うわ。妊娠中はよくあるものよ」



「そうなんですか…」



「ここで休ませとくわ。旦那さんに連絡してあげて?」



「わかりました」



言われた通り、俺は紘人に連絡をする



「彼女、がんばりすぎね…」



「え?」



連絡し終わると磯川先生がぼそっとつぶやいた



「まだお腹もそんなに膨らんでないし、大丈夫だと思ってたくさん仕事してたのね…」