「熱をはかりましょうか」



「はい」



体温計を受けとり、脇にはさむ



ピピピーー



「見せて〜?37.2度か…微熱ね…なにか自覚症状はある?」



「ふらふらします。あとなんか時々、ぼーっとすることがあります」



「熱は昨日とかはかった?」



「はい。昨日も微熱でした」



「なるほどね…工藤先生、産婦人科に行きなさい」



「え…?」



「妊娠の可能性があるわ」



「にん…しん…?」



「そう。だから、倒れないうちに病院に行きなさい?」



「わかりました…」



妊娠ってお腹に赤ちゃんがいるってこと…?



まだわからないけど、もしそうだったら…すごくうれしい



私はケータイを取り出し、すぐに紘人に連絡をする



帰る支度をして裏門で紘人を待つ



ぼーっとしながら待っていると



見覚えのある車が目の前で止まった



「早かったですね」



「そりゃ、あんなこと言われたら急ぐだろ」



紘人にはケータイでさっきのことを全て話したの



そしたら、5分もしないうちに紘人が来た



車の助手席に乗り込む



「…ごめん」



「え?」



車を走らせた瞬間、紘人に謝られた



「体調が悪かったこと気付けなかった。お前の夫なのに」



「いいんですよ。私だって気付かなかったんですから」